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アメ車のパーツでスタンド灰皿を製作【シボレーパーツ加工】

製作させていただいたスタンド灰皿 5台 のうちの1台

今回 製作させていただいたスタンド灰皿 5台 のうちの1台をご紹介いたします。

この灰皿には、アメ車のパーツと機械の部品を使っていまして、デザインは10年以上前に来客用に製作して、今でもGANZで使用している灰皿をベースにご提案させていただきました。

製作過程も織りまぜながらご紹介していければと思いますので、よろしくお願いいたします。

アメ車【シボレー・V8】のパーツでスタンド灰皿を製作しました

アメ車【シボレー・V8】のパーツでスタンド灰皿を製作

灰皿のカップ部分に使用したのは、アメ車のエンジン部品です。

ちょっとマニアックになりますが、シボレーのV8エンジンの【クランクプーリー】というパーツです。

使用したヴィンテージパーツ2種

使用したヴィンテージパーツ2種はこちら

アメ車のクランクプーリーは、当時の純正ではないのでそこまで古い部品ではないのですが、いい感じのメッキのヤレ感と錆び具合、それから何と言ってもこのデザイン。昔から変わらないシンプルなデザインは魅力的です。

それからベース【脚】の部分に使用したのは、古い機械で使用されていた「プーリー」です。

キャスト(鋳物)の鋳肌と機械加工面のコントラスト、独特な経年変化がたまりません。

灰受けのカップに加工【スタンド灰皿】

まずはこちらのアメ車のプーリーの方を、灰受けのカップに加工していきます。

吸い殻や灰の始末をしやすくするために、カップは「脱着式」にしています。

脱着式のカップを製作

底の部分を溶接して脱着式のカップを製作

現状では、このプーリーをクランクシャフトに固定するためのボルト穴が開いていますので、先にこちらを溶接して埋めてしまいます。

内側からも溶接して、水分等の進入を防ぎます。

センターにお香立てを完備【スタンド灰皿】

センターにお香立てを完備

GANZのお客さま用の灰皿は普段は「お香立て」としても活躍しています。打合せの際にお話しさせていただいたところ、今回の灰皿にも欲しいということでしたので、センター部分にスティックタイプのお香を自立させることが出来るスタンドを製作しました。

燃え残りのスティックの除去や灰の処理も考慮して、シンプルな構造で製作しました。

ベースのプーリーを旋盤で加工

ベースのプーリーを旋盤で加工

続いてベース(脚)に使用するプーリーを加工していきます。

床に接する面の中央部分が少し飛び出ていて邪魔なので、旋盤にセットして削っていきます。

センターのボスを削り出しで製作

センターのボスを削り出しで製作

プーリーの中央の軸穴部分に支柱を取り付けるため、見た目も良く機能的な「センターボス」を鉄の塊から削り出して製作します。

まずは、プーリー側の飲み込み部分を加工していきます。当然ですがピッタリとおさまるように精度良く加工します。

何度か仮組をしてベストなクリアランスに仕上げていきます。

支柱側を加工【スタンド灰皿】

次に支柱側を加工していきます。

削りの形状は、逆アールのエグリと段付きで構成したシンプルで機械的なデザインで仕上げました。

支柱のパイプを溶接してから、錆びたプーリーと黒皮の支柱に合わせてセンターボスを仕上げていきます。

ヴィンテージパーツが主張しすぎることなく、組み合わせたときの「一体感」や「全体のバランス」に気をつけて仕上げました。

スタンド灰皿のトップの装飾をブラス(真鍮)で製作

トップの装飾をブラス(真鍮)で製作

続いて、支柱のトップの装飾部分をご紹介します。

真鍮の丸棒に【ローレット加工】を加えて、イメージするデザインになるように旋盤で加工していきます。

支柱の黒皮部分や全体の重厚なイメージに合うように、エイジングしていきます。

真鍮の表情もまた魅力的ですね。

シートメタルを鈑金して灰皿のフタを製作

シートメタルを鈑金して灰皿のフタを製作

屋外で使用されるとのことで、灰皿として使用しないときに、灰が飛散したりしないように「フタ」が欲しいというご要望をいただきました。

薄い鉄板を使ったシンプルなフタをデザインさせていただきました。

デザイン → 展開図作成 → 材料切断 → パーツごとに板金加工 → 溶接 → 表面仕上げ

といった工程を経て、ほとんど手作業で製作しました。

表面を仕上げると、適度に残したハンマートーンや歪みが浮き出て、グッと表情に深みが加わります。

金属らしい個性的な表情の灰皿

金属らしい個性的な表情に仕上がったと思いますが、いかがでしょうか?

屋外での使用を考慮して、最終的な仕上げとしてマットクリアペイントをしています。

フタを外した全体画像【スタンド灰皿】

フタを外した全体画像で、5台の灰皿のうちの1台目のご紹介を終わりにさせていただきたいと思います。

こういったデザインのスタンド灰皿を見る機会は少ないかと思いますが、いかがでしたでしょうか?

ヴィンテージパーツを使用して、ゼロからデザインして製作した1点モノの灰皿です。

経年変化を楽しみにながら末永くお使いいただけたら幸いです。

引き続き、残り4台の灰皿をご紹介させていただきますので、今しばらくお待ちください。

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