
店舗ファサードで使用する屋外サイン(看板)として、折りたたみ可能なアイアンイーゼルを制作しました。企画、デザイン、設計から制作までの全行程を一貫してGANZが担当しましたので、詳細をご紹介します。


店舗ファサード用屋外看板としてのイーゼル構造
まずは、アイアンイーゼルをフルオーダー制作するにあたってのご相談内容と、デザインと構造の決定についてご紹介します。
お客様から、「イーゼルタイプの屋外看板をつくりたい」とのご相談をいただきました。店舗ファサードの顔となる看板として、デザイン性はもちろん使い勝手や耐久性にもこだわり、打合せを重ねながら細部の仕様を決定していきました。
打合せで決定した主なポイントは以下の通りです。
- 折りたたみ構造で運搬・保管をスムーズに
- 手軽に移動できるようキャスターを配置
- お客様がご用意されるメインのサインボードを正面にセット
- 背面には小さなインフォメーション用の専用バーを設置
- 鉄の経年変化を楽しみながら、適度な屋外耐候性を確保
ここからデザインと構造を検討した上でご提案させていただき、無事納品することができました。
実際の設置場所で撮影させていただくにあたり、お客様がご用意してくださっていたサインボードをセットさせていただきました。このまま普通に使用できてしまう程、バランスよくまとまって一安心です。
インフォメーションの自由度を高める機能と構造




サインボードのサイズに幅広く対応する「スライドクランプ構造」
サインボードを上下から挟み込んで固定する「スライドクランプ構造」を採用しました。この可動式クランプは、機能面でもデザイン面でも今回のアイアンイーゼルにおける最大の特徴です。
上下どちらのクランプもスライド可動する仕組みになっており、固定用には全体の無骨な質感とデザインに合わせた「ウィングボルト(蝶ネジ)」を採用しています。
この構造により、セットできるサインボードの対応サイズが広がるだけでなく、見やすい高さにサインボードの設置位置を微調整することができます。
可動部を持つ構造は設計・制作ともに手間がかかりますが、これまで多種多様なオーダーにお応えしていく中で、今やGANZの大きな強みであり得意分野となっています。


背面のインフォメーションを可能にする専用バーを追加
この様なスタンドタイプのファサードサインは、一般的なA型看板と同様に、正面(片面)のみで使うか両面で使うかは様々です。今回は、店舗へのお客様の導線を考慮してどのようアプローチしていくかなど、制作前にしっかりヒアリングさせていただいて決定していきました。
こちらのイーゼルでは、背面に小さなサインボードを掛けられるシンプルなバーを設置しました。紐付きのフレームやフックを使って手軽にサインを掛けることができます。
通常時は正面をメインとして使いつつ、「退店するお客様へのちょっとしたメッセージ(感謝の言葉やSNS案内など)」や「イベント時のスポット的な案内」といった、サブ的なインフォメーションに活用していただける仕様です。



黒皮鉄の素材感を活かした屋外対応仕上げ
鉄製フレームは、塗膜強度が高く耐候性に優れた「2液タイプのマットクリアペイント」で仕上げています。(自動車のボディと同じ塗装です)
入り組んだ構造と可動部分に対応するため、内部に水が溜まって強度低下や腐食を起こさないよう、塗装前の下地処理段階で細かな防腐・水抜き対策を施しています。
また今回は黒皮鉄の質感を活かしたマットクリア仕上げですが、マットブラックなどの「着色塗装」にも対応可能です。着色塗装の場合は防錆力の高い下地塗塗装を追加できるため、より厚い塗膜で屋外耐候性を高めることもできます。
スムーズな移動と安定した設置を実現する「折りたたみ構造」


移動のための配慮 | 専用ハンドルと折りたたみフレーム
フレームの上部に「肉厚な鉄製の蝶番」を組み込んだ「折りたたみ構造」です。
運搬時の持ち手となるハンドルは、デザイン性と機能性を両立させるため、丸棒を曲げてシンプルに制作し、正面のスライドレール上部に組み込みました。
本体をキャスター側(正面)に傾けるだけで、片手でもスムーズに運搬できる設計となっています。


移動と設置に不可欠な「開閉ロック機構」
開閉時の固定には、フラットバーとウィングボルト(蝶ネジ)を組み合わせたシンプルな「開閉ロック機構」を採用しました。
可動部分には旋盤で削り出した専用パーツを使用しており、フレーム開閉時の動きがスムーズなだけでなく、サインを設置する際の「確実なロック」が可能です。
強固な固定機構により、運搬時のフレームの意図せぬ挙動を抑制し、設置時の安定性を向上させるとともに、風や万が一の衝撃による転倒リスクを低減させています。


高精度に組み込んだビンテージライクな鋳物キャスター
正面(フロント側)には、ビンテージライクな鉄製の鋳物キャスターを採用しています。
軸受け部分には旋盤で高精度に削り出した専用パーツを多数組み合わせ、耐候性の高い高粘度グリスを充填することで、余計なガタつきのないスムーズな回転を実現しました。
キャスター上部に見えるラバーストッパーは、折りたたんで運搬する際に背面フレームを優しく受け止めるためのもの。フレーム同士の接触による傷を防ぎ、移動時の嫌な「ガチャガチャ音」を解消しています。
また、キャスター表面はそのまま使うのではなく、一度鋳物肌をキレイに補正・調整してから、本体同様の質感になるようにマットクリア塗装で仕上げました。

安定した設置を可能にする「アジャスター構造」
背面(リア側)のフレームには、設置場所のガタつきを解消するためのアジャスター構造を組み込んでいます。
スタンドサインを設置する屋外や店舗前の床面は、凹凸があるケースが少なくありません。そうした場所でも安定して使用するためには、アジャスター機構がおすすめです。
樹脂製アジャスターがしっかりと床面に接地できるよう、フレーム側の角度を綿密に設計して加工しています。ネジ式のアジャスターは、設置後の微調整も工具不要でスムーズに行うことができます。
今回のアイアンイーゼルは、お客様のこだわりと、GANZの制作者としての専門性を融合させた「特別仕様」のオーダー制作例となりました。
イーゼルを鉄製で制作するだけでも簡単な事ではありません。そんな中、屋外用、折りたたみ構造、サイズ指定など、オーダー制作ならではの作品に仕上げることができたと思いますので、是非今後のご相談の際にご参考ください。
アイアンイーゼルの詳細やその他の画像、オーダーに関するご相談は下記のリンクよりお問い合わせください。
こちらの制作例を参考に「照明付きの両面タイプ」も制作させていただきました。

