随分前から企画していた「Burring・バーリング」という加工を用いたアイテムの製作の第一弾をやっと製作することができました。
このバーリングという加工は、車やバイクのカスタム、特にレースシーンでは昔からメジャーな加工方法ですが、什器や家具の世界では見たことが無いですね。
車やバイクでは、軽量化のためにボディパネルやフレーム(シャーシ)に穴をあけると当然強度が低下してしまいますので、穴の周辺にアールを付けて立体的にすることで強度を確保するという目的で使われています。
もっと一般的なところでは薄物板金(オーディオ本体や、オーブン、電子レンジなど)で金属板に雌ねじを切りたい時にもこの加工(サイズは極小です)が用いられています。
さてこれを自分のモノ創りに応用できないものかと考えたときに、まず「金型」が必要になってきます。
車やバイクはどちらかというと、機能性を優先していますが、什器や家具ではどうしても「デザイン」のウェイトが大きくなってきます。(当然、機能的な部分も最低限の確保はしますが比率的なおはなしで・・・)
イメージしたデザインに合わせて加工するためにはサイズバリエーションも必要になりますし何より結構大きめなサイズの金型を必要とします。
当然金型製作を外注した場合には、設計から製作まででかなりのコスト×各サイズとなりまして製品化できても・・・。
かといって限られたサイズだけ(金型ありき)で製作しても おそらくいいものはできない。
もう答えは金型の「自社製作」しか無いわけで、必要な設備とノウハウなど準備をコツコツ進めて来たわけです。
金型をつくろうと思ったら、ま~いろいろと出てくるわけですがマニアックすぎるのでここでは一旦置いておきまして、今回のウォールシェルフのご紹介をさせていただきます。
まずは全体を。
メッシュの棚板同士を繋ぐ側面の補強的な部分にバーリングを用いています。
穴のサイズと位置関係だけでも組み合わせは無限にありますので デザインが難しいです。
エッジの効いたメッシュ棚のフレームに対して、鉄板曲げとバーリングの何とも言えない
アール感が 独特な立体感と存在感に繋がっていると思います。
今回はオプション的な感じで、棚の下側にハンガーバーを付けました。
ストールやネクタイ、ベルトのディスプレイに活躍してくれると思います。
画像中央部分。バーリングのサイドパネルがメッシュフレームの内側にのみ込むかたちで接合してあります。製作手間から考えても通常はサイドパネルの折り曲げ部分はメッシュフレームの下面で切られた状態になるかと思いますが、これではこのエッジが全体のアール感を邪魔してしまいます。
細かい部分ですが、目線よりも高い位置に取り付けるウォールシェルフの場合はもの凄く目立って効いてくる部分なのです。
Burring Wall Shelf
https://www.618-ganz.com/product/burring-wall-shelf/
今回ウォールシェルフ製作のご相談をいただきまして、ご提案の一つにこのバーリングを入れさせていただいたところ、即答でオファーしていただきましたのは大阪にあります「LB studio」TAKEHARAさん。
ということでLBさんで撮影させていただいた画像をご紹介いたします。
シェルフの下にSTD Hanger Rack /CA [HR01SCA] を置いても違和感なく使用できる高さに設置しています。
バーリング特有のの存在感です。
アイテム充実の広々店内。アイテム数が多くていろいろ見れるのもLBさんの特色かと。
当店什器も沢山使っていただいていまして一部からは「Ganz大阪ショールーム」みたいという声も・・・w
もの凄くありがたいお話しでございます。
TAKEHARAさん、いつもありがとうございます。
横の隙間の方もw 楽しみにしております。