
長くお付き合いさせていただいてる常連様から、貴重なラウンドガラスのアンティークショーケースのリメイクと、キャスター付きのアイアンキャビネットの新規制作のご相談をいただきました。
リメイクだけでも膨大な作業内容でしたが、できるだけシンプルに内容を整理してご紹介いたします。


アンティーク・ラウンドガラスケースをリメイク
ガラス・ショーケース部分は、経年による各部の損傷と、各所に漂う「和」の印象を徹底的に排除するため、大掛かりにリメイク(リペア&カスタム)しました。
- 内部のウッドの隙間からの光の漏れを改善
- マットブラックのラフペイントで、内装のトーンを調整(統一化)
- 背面収納のリペア
- 底面の補強とウッドモールディングの追加(ベースキャビネットとの一体感アップ)
- ガラスの立て付け調整と、真鍮製・固定金具の補修
- ラウンドガラスのクリーニング
これらの工程を経てラウンドガラスキャビネットのリペアが完成。
続いて、内部の傾斜角度を測定し、CADで棚板の間隔や形状をシミュレーションしました。
サンプルの棚板を制作して、実際のディスプレイシミュレーションによる確認を済ませたら、内部のカスタムパーツの制作に移ります。

内装上部には、黒皮鉄の角棒とアイアンネイルを組み合わせたフックを設置。
アクセサリーに合わせて、アイアンネイルの間隔や設置場所を簡単に変更できる様に、角棒には複数の下穴を仕込んであります。
これにより、ネックレスやウォレットチェーンを立体的にディスプレイすることができるとともに、その時々のアイテム数に応じてケース内のレイアウトを微調整することができます。

新設した2段の棚は、アンティークの質感に合わせて曲げ加工した黒皮鉄板を採用。
棚板固定用のマイナスビスが、ウッドの内装の中でさりげない存在感を放っています。
シルバーやブラスのリング・アクセサリーを引き立てる、高級感ある仕上がりになりました。



ベースとなるアイアンメッシュキャビネットを制作
ラウンドガラスケースを支えるベース部分は、黒皮鉄の鉄板・パイプ・アイアンメッシュ・キャスターによる構成としました。
キャスターの軸受け部分は、旋盤で鉄の丸棒を削りだして、専用スリーブを作成しました。
トップのガラスケースのボリュームに負けないように、キャビネット部分は3方にアイアンメッシュを配置、重厚感と存在感により全体のバランスを整えています。
ドロワー(引出し)部分は、内部構造をウッドにすることで、加工精度の向上、全体の重量軽減、開閉時の静音化を図りました。
外板を黒皮鉄板で仕上げ、ハンドルはラウンドガラスのフレームに合わせてブラス(真鍮)素材をチョイス。
適度にエイジングして全体のバランスを整えました。
鉄部の最終仕上げは、メンテナンス性を考慮して、マットクリアペイントで仕上げています。
日々のメンテナンスを最小限に抑えながら、適度な経年変化をゆっくり楽しむことができます。
今回の様な、本気のリメイクやカスタムは、普段の業務内ではなかなかお受けすることが難しい作業ですが、新しい命が宿りこれまでとは違った活躍をしてくれる姿を想像すると、特別な感情が沸いてきます。
このような貴重な経験を、普段のものづくりに活かしたいと思います。
アイアンキャビネット、ショーケースのオーダー制作に関するご相談は、下記のリンクよりお問い合わせください。

