アメ車のフロントグリルをオリジナルで製作したいというお客さまから「鉄製のツイストバーを使いたいので素材として製作してほしい」というご相談をいただきました。
実際のグリル製作は、普段からお付き合いのあるカスタムショップで行うとのことでしたので、最終的な製作工程も考慮して「どのように仕上げていくかのプラン」を打合せさせていただきました。
それでは、実際にご相談をいただいてから完成まで「ツイストバーができるまで」をご紹介させていただきますので是非最後までお付き合いください。
アメ車のフロントグリル用パーツ製作【鉄製ツイストバー】
デザイン決定に必要なサンプル製作
ご相談の際に、大まかなサイズやイメージをお伺いしまして「概算のお見積もり」をご用意→ご回答をいただきましたので、本見積もりに必要な細部を決定していく段階に入ります。
ツイストの加減は、口頭や図面的なイメージでは伝わりにくい部分ですので、手持ちの材料を使用してサクッとサンプルを作成してご提案させていただきました。
お客さまとイメージが合致する瞬間は、何度経験しても特別なワクワク感があります。
最終確認用のサンプル製作
材料のサイズやツイスト加減も決まり、最終的なお見積もりにご回答いただき、いよいよ製作に着手します。
通常ですと「グラフィックによる完成イメージ」をご用意しまして最終的なゴールを共有しながら製作していきますが、今回はより確実に「最終確認用のサンプル」を1本製作しました。
この時点で、規則性をもってしっかり再現できるように、加工しながらしっかりデータを記録していきます。
完成画像をご確認いただいて、本番製作に突入です!
ツイストを組み合わせる向きを検討
今回のメニューでは、ツイストバーを3列に配置しつつ、センターのジョイントを突き出し、センターに対して左右でツイストの方向を逆転して、左右対称なレイアウトに決定しました。
ここでお客さまからご相談があった「ツイストの組み合わせ」のご提案をさせていただきました。
画像でもお分かりいただけると思いますが、3列全て同じ方向にツイストするか、センターのみ逆にするかで結構イメージが変わってきます。
最終的には、左右対称ですので実際のグリル製作時に組み合わせを再検討いただくかたちになりましたが、とても楽しい時間でした!
ツイスト方向が違う3セットを製作
左右対称の3セットのツイストが完成しました。
なんともいえない独特なウネリがいい表情になりました。
こちらが「ダブル」
こちらが「シングル」
シングル、ダブルの2種類を正確にツイスト
今回の加工では、僕なりに「シングル」「ダブル」と表現させていていただき、これらの2種類のツイストを規則的に配置しています。
そしてこれらのアクセントを繋ぐ中間部分は、緩めのツイストを加えて全体のバランスを整えています。
アールゲージを作成して均等に曲げ加工
センターのジョイント(突き出し)部分のアール加工を行います。
予定通りの寸法かつ、全てのパーツのバラツキが最小限になる様に、アールゲージを作成しておきます。
曲げの始点・終点がズレてしまってもアウトなので、キッチリ加工していきます。
最終的にツイストの位置およびアールの位置、サイズが合っているか入念にチェックします。
全体を磨いて最終仕上げ
今回は最終的にメッキするとのことでしたので、素材選びから加工全般にわたってこれをイメージして作業しました。
完成後に酸洗やポリッシュの工程がありますので、GANZでの加工はここまでですが、気分的にしっかり磨いて素材のアジも楽しんでいただきたいという思いから、丁寧に磨き作業をさせていただきました。
最終画像もご納得いただけましたので、防錆処理をして出荷いたしました。
僕自身、車やバイクが大好きですので、このようなご相談はとてもテンションが上がります。
趣味にもお仕事にも情熱的なお客さまには終始たくさんの刺激をいただき、楽しい時間を過ごさせていただきました。
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