
アパレルセレクトショップ用に制作した、特注のフロアスタンド灰皿「FLOOR STAND ASHTRAY T-3」をご紹介します。
今回は、空冷ワーゲンのヴィンテージパーツを使用して、個々のパーツの個性を活かしながらも、全体のバランスが自然に調和したスタンド灰皿を目指して制作しました。
パーツの調達からデザイン、使い勝手の工夫まで、GANZならではのものづくりと、そのこだわりを解説します。




ヴィンテージパーツを使用する際のポイントと「一点モノ」ならではの難しさ
今回の制作では、灰皿の脱着式トレー部分に空冷ワーゲンのバルブカバー(タペットカバー)を、足元のベース部分にはクラッチパーツを分解・加工したものを組み合わせています。
このようなヴィンテージパーツを使用した制作は、パーツのストックが常にあるわけではありません。さらに、パーツ個々の状態や特徴を見極めながらデザインや全体のバランスを現場で決定していく要素が大きいため、通常のご要望をお聞きしながら進める「オーダー制作」での対応が非常に難しい「一点モノ」となります。
今回は、日頃から親交の深いお客様より、デザインや構造のすべてをGANZに「お任せ」していただけたことで実現しました。適切なタイミングとお客様との信頼関係があったからこそ形にすることができた特別なアイテムです。





鍛鉄の無骨な装飾と脱着式トレー|GANZが追求する機能美
店舗で毎日使用されることを想定し、灰の処理や清掃がスムーズに行えるよう、トレー部分は脱着可能な構造に設計しています。トレーを支えるフレーム部分は、ヴィンテージパーツが生まれた1960〜1970年代の雰囲気に馴染むデザインと構造を意識しました。
また、開店・閉店時の出し入れを考慮し、運搬しやすくデザインのアクセントにもなるハンドル(持ち手)を考案。ハンマートーン(鎚目)の表情が味わい深いロートアイアン(鍛鉄)で装飾ハンドルを制作しています。
パーツの接合にはクラシカルなリベット留めを採用しつつ、強度と精度を保つため見えない部分はTIG溶接で補強。ベースのクラッチパーツと支柱の接合部には、旋盤で鉄の丸棒から削り出した専用ボスを組み込み、アクセントとなるGANZの真鍮ネームプレートにも手作業でハンマートーンを加えています。
パーツの個性が主張しすぎて「パーツありき」のデザインにならないよう、当時の時代背景に自然と存在していたプロダクトをイメージして全体の調和を追求しました。細部の使い勝手とデザインを突き詰めた結果、GANZならではの機能美を形にすることができたと思います。
ヴィンテージパーツはいつでもストックがあるわけでは無く、制作できるタイミングやサイズなどの条件は限られてしまうことが多いです。パーツによっては、同じものが制作できるとも限りません。
1点モノのオリジナル什器は特別なアイテムになると思いますので、このタイミングやご縁もあわせてお楽しみいただけたら幸いです。
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